歴史
この犬種の発祥は明らかではありませんが、18世紀頃、アメリカ中西部の特にウィスコンシン州とミネソタ州で、 牧畜犬、猟犬として飼われていたといわれています。おそらくアイリッシュ・ウォータースパニエルとカーリー・コーテッド・レトリバーを交配した犬をもとに、初期のスパニエルを加えて改良されたと考えられます。優しげな口とほっそりとした鼻を持ち、沼地、森、湖、川で優れた鳥猟犬として活躍。獲物の狩り出しと回収を上手にこなし、木の上のリスの存在を吠えて教えることもできます。また、泳ぎも得意で、激流の中でも泳げます。ウィスコンシン州の州犬となっていますが、まだアメリカ国内でも珍しく、1990年の時点でアメリカン・ケンネル・クラブ(AKC)に登録している犬は約270頭だけです。しかし、実際には登録数より多くの子犬が生まれていることでしょう。(ショードッグというより猟犬であるため、オーナーが愛犬をわざわざ公式登録しないことがよくあるのです)。家庭犬としても適したワンちゃんです。
特徴
中型犬。頭の形は端正で、ほどよい長さがあります。頭蓋は広く、適度なストップ(両目の間のくぼみ)が見られます。被毛は、手ざわりが硬くてきついカールまたはウェーブのあるオーバーコート(上毛)と、柔らかなアンダーコート(下毛)とのダブルコート。毛色はレバーかチョコレート。胸に小さな白い斑点が入ることがあり、つま先の白い毛も認められています。耳は長く、カールした毛で覆われています。マズル(鼻口部)は、中ぐらいの長さで四角く、なだらかです。色はダークブラウンか黒です。目の色は、被毛と同じ色合いの、暗いブラウンまたはへーゼルでなければなりません。歯は、シザーズ・バイト (上歯が下歯にややかぶさるはさみ状の噛み合わせ)かレベル・バイト(上下の歯がぴったりと合わさっている噛み合わせ)。ふさふさの毛で覆われた尾は、ちょっと上向きにカーブし、そして後ろに垂れ下がっています。この尾は、泳ぐときに舵の役割をします。
飼育のポイント
水泳が大好きで、とても得意。放浪グセのあるワンちゃんです。うるさく吠えたり、キャンキャン鳴いたりする犬もいます。いびきをかくこともあります。被毛は油っぽくて強い臭いがするので、週に2回は念入りなブラッシングが必要です。皮膚疾患にかかりやすいので、注意してあげましょう。
性格
知的で人なつこく、エネルギッシュな自信家。学習意欲が旺盛で、やる気にあふれた働き者です。とても訓練しやすく、高圧的なトレーニングは必要ないワンちゃんなのです。人にかまってもらうのが好きですが、ひとり遊びも得意。お気楽で、かつ誠実なパートナーになってくれます。子犬のころから人間によく慣らし、成犬になってから人見知りをして攻撃的にならないように育てましょう。