歴史
もともと、穴の中に潜んでいるカワウソやキツネ、アナグマの狩猟に使ったり、狩猟の時に獣猟犬のグループに加えたりする目的で作り出されました。原産地は英国のウェールズです。昔のブリティッシュ・ブラック・アンド・タン・テリアの流れを汲む犬種と推定されます。ウェルシュ・テリアは、1884年に初めてイギリスで公開され、米国には1888年に初めて輸入されました。今では主に家庭犬として愛されていますが、狩猟の能力も失ってはいません。
特徴
小型のエアデール・テリアに似て、引き締まっていかつい感じの顔とワイヤー状の被毛を持っています。長方形で長く扁平な頭部に、密生したまゆ毛、口ひげと顎ひげがあります。マズル(鼻口部)は先端が正方形で、全く尖っていません。V字形の耳は前方に折れています。鼻の色は黒。アーモンド形の小さい目は暗色です。歯はシザーズバイト(上歯が下歯にややかぶさるはさみ状の噛み合わせ)かレベルバイト(上下の歯がぴったりと合わさっている噛み合わせ)ですが、前者の方が好ましいとされています。足は猫に似て小さく丸みがあります。背線はまっすぐで水平。前後の脚の狼爪は切除します。ワイヤー状の硬い被毛の色は黒&黄褐色、または黒か黄褐色と灰色。生まれたばかりの子犬はみな黒い毛をしていますが、しだいに四肢の毛色が薄くなり、「ジャケット状」に黒が残ります。尾は断尾して華やかな感じにします。
飼育のポイント
トイレトレーニングが難しいことがあり、とくにメスにその傾向があります。被毛の状態にはいつも注意してください。他の脚の長いテリア種よりやや落ち着きがあります。よくしつけてあれば別ですが、ものを追いかけることが好きなので、囲いのない場所ではリードをはずさないようにしましょう。泳ぐのが好きです。なかには穴掘りが好きな犬も。皮フと目の病気にかかりやすい血統もあります。
性格
愛情深く忠実で、丈夫な体をもっています。好奇心旺盛で遊び好きです。ハッピーでエネルギーに溢れ、元気いっぱいなので、若く活動的な家族にぴったりでしょう。一般的に勇敢ですが、急に触られるとビクッとすることがあるので、子犬の頃からよく人に慣れるようにしつけてこういう性質を克服させてあげましょう。ウェルシュ・テリアには他の動物を見るとすぐケンカをしかける犬もいれば、ケンカなどする気のまったくない犬もいます。