歴史
カーリーコーテッド・レトリーバーは、最古のレトリーバー種のひとつと考えられています。英国で、おそらく、ぎっしりとした巻き毛に覆われたイングリッシュ・ウォーター・ドッグ、古いウォーター・スパニエルとセントジョンズ・ニューファンドランドを交配させて作出されたのでしょう。この犬種はすばらしい水中レトリーバーで、なだらかな口元は、特にカモやウズラの狩猟に最適です。狩猟の相棒が務まる優秀な猟犬で、気質が穏やかなので、すぐれた家庭犬にもなります。この犬種は、オーストラリアとニュージーランドで人気が高く、米国ではアメリカン・ケンネル・クラブ(AKC)が公認している犬種ですが、あまり知られていません。
特徴
大型で頑健な筋骨たくましいレトリーバーで、特有の縮れた巻き毛をしています。密生した黒または茶褐色のぎっしりとした巻き毛が、イバラや氷のように冷たい水から身を守っています。小さな耳、頭の後部、首、先細の尾まで小さな巻き毛で覆われています。顔、飛節、脚の前面だけがなめらかです。理想的なカーリーコーテッド・レトリーバーは、機敏で優雅で、強くしかも上品でなければなりません。胴体はキ甲(肩間の背の隆起)の所で測った体高よりやや長く、背部は頑丈で水平です。頭部はくさび形で、縦長です。顔の前部と頭蓋はほぼ同じ長さで、それぞれの上面のラインは、横から見ると平行な面を形作っています。マズル(鼻口部)は先が細くなっていき、よく発達した暗色の鼻(黒い犬の場合は鼻は黒で、茶褐色の犬の場合は茶色または琥珀色)につながっています。歯はシザーズバイト(上歯が下歯にややかぶさるはさみ状の噛み合わせ)でなければなりません。小さめの耳は垂れ下がっています。目は黒または茶色です。尾はほぼ飛節に届く長さで、まっすぐに保たれています。
飼育のポイント
股関節形成不全と目の病気に注意してください。泳ぐのが大好きです。心から満足させるには、運動と精神的な刺激がたっぷり必要です。巻き毛は洗ってあげなければなりませんが、ブラッシングとコーミングは被毛を縮れ毛にします。グルーミングの後、巻き毛を取り戻すために被毛を湿らせます。カーリーコーテッド・レトリーバーはすぐれたセラピー犬になります。
性格
忠実で、しきりに人を喜ばせたがります。誇り高く自信に満ちています。非常に利口なのでしつけやすく、抜け目がなくいたずら好きですが、繊細です。子犬の頃からやさしくかつ毅然とした態度で行なう服従訓練をする必要があります。服従競技で好成績をおさめることができますが、ゴールデン・レトリーバーほど予想通りに服従しません。自己流で行動するのが好きです。子供といるのは大好きです。この犬種は適切にかまってあげないと、よそよそしくなったり、知らない人に臆病にさえなったりする傾向があるので、子犬の頃から人や他のペットと十分交わりを持たせてあげましょう。危険が迫ると飼い主一家を守ってもくれる、すぐれた番犬です。