アフガン・ハウンド

アフガン・ハウンドの歴史は古く、4000年以上も昔のアフガニスタンの洞くつの壁画にも描かれています。そのエレガントな容姿に似合わず、かつては牧羊犬や狩猟犬として活躍していました。羊飼いを助けて家畜の番をしたり、野生のヤギやシカなど様々な動物の狩猟、オオカミやユキヒョウの捕獲など。並外れた敏捷さと俊足で、瞬く間に獲物を捕らえることができるのです。毛なみが濃くてフカフカしているので、極端な暑さ寒さにも耐えられます。顔だちは整っていて貴族的。現在ヨーロッパでは、ゴージャスなペットとして愛されています。

サイトハウンド(目で獲物を追う猟犬)として活躍してきたアフガンハウンドは、品格が感じられる犬種です。頭部はほっそりと長く、スマートで、頭のてっぺんは絹のようななめらかな手触り。しっかりした顎をもち、後頭部は出っ張っています。鼻は黒くてマズル(鼻口部)が尖り、ストップ(両目の間のくぼみ)はわずかか全くないものもあります。噛み合わせはレベル・バイト(上下の歯がぴったりと合わさっている噛み合わせ)かシザーズ・バイト(上歯が下歯にややかぶさるはさみ状の噛み合わせ)。目は暗色でアーモンド形。耳は頭部にピッタリつき、首は長くてがっしりしています。望ましいのは、体高が、胸から臀部までの長さと同程度あること。堂々と姿勢よく、頭と尾をまっすぐに立てて動き、背中はほとんど水平、おなかが引き締まっているものがよいでしょう。腰骨がくっきりと見え、前脚はまっすぐで強く、足部は大きくて長毛で覆われています。尾は先端が巻いているものと輪状になっているものがありますが、どちらも背中にかかることはありません。全体の毛なみは長くてたっぷりしていて、絹のような手触りです。毛色は様々ですが、体の部分がサンドカラーで顔と耳のへりが濃くなっているものが一般的。白のまだらが混じるものは、あまり好まれません。

グルーミングには、特製のエアクッション式ブラシかピンブラシを使ってください。手荒く乱暴にブラッシングすることは厳禁です。また、1日に少なくとも 30分は自由に走り回らせてあげましょう。トイレのしつけなど、家の中でのマナーに慣れにくかったり、内気で緊張しやすいアフガンハウンドもいます。

貴族のような威厳があり、孤高を守るふうにも見えますが、じつは非常に気立てがよくて忠実、愛情細やかで、鋭敏です。古くから「犬の王様」といわれ、威厳とエレガンス、気品、勇気を兼ねそなえた犬種。見知らぬ人を警戒はしますが敵意はありません。