歴史
もっとも小型の作業犬テリアの一種。1868年にオーストラリアのメルボルンで、「オーストラリアン・ラフコーテッド・テリア」の名前で初めて紹介されました。ケアーン、ダンディ・ディンモント、アイリッシュ、ヨークシャー、スカイ・テリアなど、さまざまなテリア種の交配から生まれたと考えられています。ネズミやヘビの駆除、番犬、家庭犬として用いられました。アメリカに紹介されたのは比較的最近のことで、1960年に初めてアメリカン・ケンネル・クラブ(AKC)に承認されています。
特徴
長い頭部、ぴんと立った耳、きらきらした暗色の目を持つ丈夫な小型犬。黒い鼻の上にV字型の部分があります。歯はシザーズバイト(上歯が下歯にややかぶさるはさみ状の噛み合わせ)がよいとされます。体長は体高よりやや長く、背はまっすぐで水平です。胸は力強くて深く、ほどよい幅があります。尾は断尾され直立しています。風や雨にもに強く、ごわごわした手ざわりの毛の厚味は長さ1cmほど。毛色はレッド単色、砂色、ダークブルーまたはシルバーブルーで、頭と脚にタンの斑があります。耳の間、胸もと、首まわりに見られる飾り毛は、ほかの部分より色合いも明るく柔らかな手ざわりです。狼爪は生まれて数日で切除されます。小さい足はまるで猫のようです。
飼育のポイント
他のテリア種とくらべて従順で容易にしつけができます。どんな気候にも適応し、旅行にも耐えます。食事もたいへん経済的で、世話のしやすい犬です。また、その耳のよさは番犬向きと言えるでしょう。
性格
注意深く、人を喜ばせるのが好き。ひょうきんで愛すべき性格です。活発で自負心が強く、好奇心も旺盛。聴覚と視覚がたいへん鋭いので、すばらしい番犬となります。愛情深く忠実、かみつかないので、子供のいい相手になります。他のペットに対しても友好的です。