グレート・ピレニーズ

この犬種の起源はヨーロッパで現代のグレート・ピレニーズと同種の犬が発見された時、すなわち紀元前1800年に遡りますが、おそらく実際にはアジアかシベリアでさらに昔に発していると思われます。グレート・ピレニーズ(別名をピレネー・マウンテン・ドッグと言います)はヨーロッパで犬種として確立され、中世まで高山地域で飼われ、中世になるとフランス貴族の間で警護犬として広く飼われるようになりました。17世紀末までには、フランス貴族がみな欲しがるようになりました。またグレート・ピレニーズは素晴らしい牧羊犬として農民からも非常に珍重されました。釘でもつけたようなゴツゴツした頚部とふさふさした被毛(外からの攻撃に対する自然の防具となっています)を備えて、狼や熊など肉食獣から無力な羊の群れを守るのです。いろいろな用途に使役できるグレート・ピレニーズは他にはつぎのような場面で活躍しています:雪崩救助犬、荷車引き、そり引き、スキーの付き添い犬群、コンパニオンドッグ(伴侶犬)や家族と財産を護る護衛犬など多彩な場面です。グレート・ピレニーズはニューファウンドランド開発時の使役犬として重要な役割を果たしました。グレート・ピレニーズは1933年正式にアメリカン・ケンネル・クラブ(AKC)認定となりました。

大型の堂々たる犬種です。黒い鼻と黒いひとみをもっています。典型的なグレート・ピレニーズは毛色の薄ささえ除けば茶色の熊に見えます。(被毛は白が多いが、黄色や赤茶色か、黄褐色またはグレーの混じったものもある)。厚い二重被毛は気候への耐性がきわめて強いので、グレート・ピレニーズは年間を通してきびしい自然環境の中で戸外生活をすることができます。身体のプロポーションはおおまかに言って矩形です。胴体はキ甲(肩間の背の隆起)で測定した体高より長く、トップラインは水平です。胸はかなり広い方です。綿毛の生えた尾は短くても後肢のホック(飛節)付近まで伸びています。アーモンド形の目は黒褐色で思慮深く優秀な知能をもち、威厳のある表情です。歯は理想的にはシザーズバイト(上歯が下歯にややかぶさるはさみ状の噛み合わせ)が望ましいのですが、レベルバイト(上下の歯がぴったりと合わさっている噛み合わせ)でもかまいません。グレート・ピレニーズの前肢の狼爪はひとつ、後肢はふたつになっています。綿毛につつまれた長い尾は先端のところで少し上方にカーブしています。耳は普通程度の大きさで垂れ下がっています。

グレート・ピレニーズの股関節形成不全は稀ですが購入の際には注意しましょう。生まれたばかりの子犬のころから一緒に育てると子どもとの折り合いは良好です。年に1回相当激しい換毛があります。

勇敢、非常に忠実で従順、静かでかなり保護心が強い。好意をもった相手に対しては温厚で愛情をもって接します。たとえ犬の自己犠牲が求められる場合でも家族に忠実です。まじめな作業犬ですが大変独立心の強いところがあります。グレート・ピレニーズの訓練には辛抱が必要です。社会性を養い確実によき市民になるための適切なしつけが大切です。雄は他の雄犬に向かって闘争性をもつことがあります。グレート・ピレニーズは犬以外の動物とも仲よくできます。通常、猫が好きです。