歴史
ゴードン・セッターは、当初1600年代にスコットランドで開発された犬種で、後に1700年代にゴードン家の4代目当主のアレキサンダー公爵が普及させたものです。この犬種はきわめて鋭敏な嗅覚を持ち、鳥類の狩猟では素晴らしい猟犬です。鳥の臭腺を見つけて主人に知らせ、鳥が落ちればただちに獲物を回収して主人に渡します。ゴードン・セッターは他の猟犬と比べて走りは速くありませんが、スタミナを持っています。悪天候でも、陸上でも水上でも働くことができます。ゴードン・セッターは、几帳面で頼りになるハンターで銃猟の見事な一匹猟師だといえます。姿も美しく、忠実なゴードン・セッターはショードッグとしても家族の友達としても立派な実績を残しています。
特徴
ゴードン・セッターの毛色は、黒と黄褐色のみ。スラリと細身で美しい毛並みをしています。長く彫の深い頭部は他のセッターと比べると大きく、ストップ(両目の間のくぼみ)もハッキリしており大きな鼻腔のある黒い鼻を持っています。長いマズル(鼻口部)は、角形でとがってはいません。マズルは、鼻からストップまでの長さが頭骨のストップから後頭部までの長さとほぼ同じでなければいけません。歯のかみ合わせは、シザーズバイト(上歯が下歯にややかぶさはさみ状の噛み合わせ)かまたはレベルバイト(上下の歯がぴったりと合わさっている噛み合わせ)ですが、シザーズバイトの方が好まれます。トップラインはキ甲(肩間の背の隆起)からなだらかに下がっています。深い胸は前肢までのびていますが、広すぎてはいけません。びっしりと棉毛に覆われた尾は付け根が太く、先へいくに従って細くなります。前肢の骨は頑丈でまっすぐです。肢の先は猫のようで、つま先はアーチ型をしており毛が密生しています。狼爪は切除されることもありますやわらかくつややかな被毛は、直毛か軽くウェーブがかかっています。肢、下腹部、耳、尾なども豊かな棉毛に覆われています。尾のやわらかい毛は尾が先端にいくに従って細くなっていくので、尾の形は三角形のシルエットになっています。毛色は常に黒、はっきりと黄褐色の模様がはいっています。この模様のあることが重要で、公式スタンダード(犬種標準)に明確に定められています。
飼育のポイント
この犬種はとても健康で愛情あふれるブリードですが、お求めになりたい人は、股関節形成不全に注意が必要です。少々わがままなところがあるので、毅然たる態度で訓練にあたり、悪い習慣がつく前に子犬の時からしつけをしておきましょう。外歩きが好きです。子犬の時は協調性に欠けることがあります。狩猟用の血統はショードッグと比べて小型が多いのですが、両方ともいいペットになります。
性格
献身的、礼儀正しい、穏やか、そして思慮に富む性格です。賢く、良く働きます。几帳面なハンターで、獲物を見誤ることはまずありません。勇敢で明朗でこまやかな愛情を持っています。十分な運動が必要です。運動が不足するとかなり騒ぎます。家族にはきわめて忠実ですが、知らない人にはなつきません。他のペットに嫉妬することがあります。