歴史
エジプトの王家に飼われていたサルーキは文明の発祥と同じくらい古い犬種かもしれません。この犬の体はファラオたちのようにミイラにされ、その姿は紀元前 2100年のエジプトの墓に描かれています。イスラム教徒たちはこの犬種をアラーの神からの聖なる賜物と考えています。そのため、このワンちゃんは絶対に売買されず、友情や名誉のしるしの贈り物とされました。また、すばらしい砂漠のサイトハンターでもあります。荒野を信じられないくらいのスピードと敏捷さで走ります。かつてレイヨウの仲間の中でいちばん足が速いガゼルの猟に使われました。また、キツネやジャッカル、ノウサギの猟にも使われました。西欧では、非常にエレガントなコンパニオンドッグ(伴侶犬)、ペット、ショードッグとなっています。一方、レースドッグとしても有名です。
特徴
スリムで優雅、グレーハウンドに似た体で、耳と尻尾にはなめらかでふさふさした飾り毛が生えています(この毛がない珍しいスムーズ種もいます。飾り毛のある種よりも被毛がやや粗いのが特徴)。頭は細長く、耳は垂れ耳です。長くカーブした尾は低くたれています。首は長くしなやかで、胸部はかなり細く胸板は厚めです。エレガントな体型の犬です。足の長い指の間は厚い毛で覆われています。足を守るためです。被毛はなめらかでやわらかく、様々な毛色があります。白、クリーム色、淡黄褐色、ゴールド、赤茶色、灰白色、黄褐色、黒&黄褐色、3色混じったような褐色です。臭いはほとんどありません。
飼育のポイント
獲物を追い詰めてしとめる本能を持っています。これがこのワンちゃん本来の役目であり、この特色はペットになっても消えることはありません。ですから、鳥、うさぎなどのペットを一緒に飼うことはおすすめできません。追いかけっこを楽しめるような猫なら大丈夫でしょう。また、走ることが大好き。子供がうっかりドアや門を開け放していたために、走り出してどこかに行ってしまったり、事故にあったりすることがあります。広々とした目の行き届く場所でないかぎり引き綱を放してはいけません。たくさんの運動が必要ですが、ジョギングパートナーには向きません。人間より速く走るからです。注意散漫、びくびくしやすく、特に他の犬と出会うとその傾向があります。子供たちと遊ぶには華奢すぎるようです。温暖な気候を好み、暑すぎる気候には適しません。
性格
やさしく愛情深いのですが、目立ちたがり屋。繊細で友好的ですが、家族に対しても距離を置くような面があります。ある程度年齢の高い落ち着いたお子さんなら、一緒に過ごせるでしょう。強い飼い主や犬にはよく服従します。非常に自立心が強く、ほかのサルーキのよいコンパニオンともなります。一緒にいて楽しい穏やかなコンパニオンドッグ(伴侶犬)で、あまり攻撃的ではありませんが、いい番犬にもなります。優雅でエレガント。生まれながらのアスリートです。