歴史
シェットランド・シープドッグの起源はスコットランド沖のシェットランド島に持ちこまれたコリーと考えられています。この小さな犬は小型の家畜をやさしく追う牧羊犬にぴったりでした。服従競技を得意とする犬種の1つである「シェルティ」(シェットランド・シープドッグの愛称)は、非常に頭がよく、やる気にあふれた働き者です。英国では1909年、アメリカ合衆国では1911年に公認されました。温和な性質なので今では一番人気の家庭犬になっています。服従競技、アジリティー競技も得意です。
特徴
粗くも美しい毛を持つシェットランド・シープドッグは、いわばミニチュア版のコリー。細長い逆三角形の顔をしています。マズル(鼻口部)の上側の線は頭のてっぺんの面と平行でなければいけません。華麗な長い毛にライオンのようなたてがみ、首回りには飾り毛があります。色は黒い斑点のある灰青色(ブルーマール)、セーブル、黒と白(白の量は様々)、黒とタン、黒と白とタン。上毛の下にはウールのような下毛が密生しています。四肢と長い尾はふさふさした毛で覆われ、顔と足の毛はなめらかです。
尾は垂れ下がって後脚の飛節(関節)まで届いています。アーモンド型の目は通常暗色ですが、毛が灰青色に黒斑点の場合は、目も青か灰青色であることがあります。注意深くやさしげで、何かを問いうような思慮深い表情が特徴です。鼻は黒。歯はシザーズバイト(上歯が下歯にややかぶさるはさみ状の噛み合わせ)でなければなりません。耳は小さくしなやかで表情に富み、先端が垂れています。シェルティーは機敏ですばやく、すぐれたジャンプ力の持ち主です。オスらしさ、メスらしさがよく表れているとよいです。
飼育のポイント
吠えやすくなることがあります。食事のあげすぎには注意してください。血統によっては甲状腺腫にかかりやすいことも。週に1回は丁寧にブラッシングしてください。シェルティーは人気の高い犬なので、いい加減な繁殖による犬が出回りがちです。信頼できるブリーダーから譲ってもらうようにしましょう。
性格
たいへん優れた家庭犬で、明るい性格です。やさしく繊細、忠実でかわいらしさにあふれています。最も賢い犬種の1つであり、人を喜ばせ、人に従います。この犬の頭のよさは人間に等しいと考える愛好家がたくさんいます。オスの方が情深く、ペット向きという説もあります。子どもを含めた家族全員に元気にやさしく接しますが、見知らぬ人間には警戒するので、番犬に向いています。子犬のころからよく人に慣らしましょう。人にかまってもらうことを必要とするので、常に人と一緒にいられる室内で育てることをお薦めします。