歴史
起源についてはほとんど不明ですが、陶器に描かれた絵柄から紀元前206年に始まる前漢時代には存在していたといわれています。長い間、この犬種は中国の田舎で多目的の農場犬として、狩猟、家畜の保護、家族の警護のために飼育され、その間に、利口で強くしかめっ面をした犬種に改良されました。後に、闘犬に使われるようになりました。たるんだ皮フととてもチクチクする被毛は闘犬で役立つように作出されたもので、相手がこのワンちゃんをつかみにくく、また、しがみつきにくくしています。中国革命の頃、中国では犬を追放し、たくさんの犬が亡くなりました。この古代犬種も絶滅寸前にまで追い詰められましたが、幸いにも、マゴ・ロウという香港の実業家によって劇的な形で救われました。マゴ・ロウは、1973年に犬の雑誌を通じてアメリカ人にシャー・ペイの救済を訴えました。この数頭から、過去数十年にわたりシャー・ペイの変種がすばらしい勢いで繁殖しました。現在では、この犬種は、AKC(アメリカン・ケンネル・クラブ)のノンスポーディンググループに属しています。
特徴
横から見ると四角く、幅の広い太った頭部、際立って広いふくらんだマズル(鼻口部)、非常にたるんでしわの寄った皮フをしています。(しわは子犬の方がはっきりしているかもしれません。)耳は非常に小さく、正三角形をしていて、頭にぴったりくっついています。珍しい被毛は、非常にチクチクしたホースコートです(より長くなめらかな感触を持つブラッシュコートもあります)。どちらの種類の被毛も、長さは2.5cm以下です。ブラッシュコートの場合、年中少しずつ毛が抜けますが、ホースコートの場合、換毛期に限り毛が抜けるようです。換毛期の犬は、見た目がだらしのない感じを与えます。週に1度入浴させ、この期間は毎日ブラッシングして古い毛を取り除くと、新しい毛が生えてきます。毛色は単色で各色ありますが、セーブルも認められています。もうひとつのはっきりした特徴は、青黒い舌です(これはチャウ・チャウと同じです)。シザーズバイト(上歯が下歯にややかぶさる噛み合わせ)が非常に好まれます。尾は高い位置につき、付け根が太く先細になっていて、背の上で巻いているか、または、先端を背の片側に向けています。
飼育のポイント
非常に清潔好きな犬種で、トイレはしつけなくてもほとんど自分できちんとします。頭部の肉づきがよいので、暑さに非常に敏感です。常に日陰と飲み水を用意しておいてください。子犬は非常に成長が早いので、それに合わせて食事を与えなければなりません。オーナーの中には粗い被毛にアレルギーを起こす人もいます。一般に水が大嫌いで、水を避けます。
性格
家族に献身的で忠実です。知らない人にはなつきません。とても利口なのですが、わがままになることがあります。堂々かつ超然とし、威厳があって落ち着いています。冷静で自信に満ちています。生まれつき防衛本能が強い犬種なので、周囲との関わり方を適切に身につけさせなければ、とても攻撃的になることがあります。しかし、服従競技で与えられるCD(コンパニオン・ドッグ)やCDX(コンパニオン・ドッグ・エクセレント)の称号を持っているものもたくさんいます。毅然とした態度で行なう積極的な動機を与えたしつけが必要です。長々と繰り返すとすぐに退屈します。さまざまに目先を変えながら楽しくしつけをする努力をしてください。一般的に、ホースコートの犬種の場合、おとなしいブラッシュコートの犬種と比べて、他を支配しようとする気持ちが強く、他の犬に攻撃的で、知らない人にはあまりなつきません。