歴史
長い歴史の中で、ロシアン・ベア・シュナウザー、ミュンヘン・シュナウザー、ライセンシュナウザーの名で知られてきたこの犬種は、黒のグレート・デーン、ブービエ・デ・フランダース、スタンダード・シュナウザーなどの交配によって作出されたと考えられています。「シュナウズ」という単語は、ドイツ語で「マズル(鼻口部)」を意味します。もとはバイエルン地方で牛追い犬として使われ、その後、警察や軍隊で警備犬として使われました。護衛犬として優秀で、また素晴らしい家庭犬にもなります。
特徴
大型で力強く引き締まった体と、もじゃもじゃした眉、頬ひげ、顎ひげをもっています。被毛は、硬いワイヤー状のオーバーコート(上毛)と、密生した柔らかいアンダーコート(下毛)のダブルコート。毛色は、黒の単色またはソルト&ペッパーです。体形は、体高が体長と同じで、正方形に近い印象を与えるのが理想的です。首は、頑丈なアーチ型で、みごとに肩と調和しなければなりません。頭部は、キ甲(肩間の背の隆起)から尾の付け根までの長さの半分くらい。マズルと頭の上面は、平行で平面になっていなければなりません。鼻は大きくて、色は黒。目は中くらいの大きさで卵形。色はこげ茶色です。歯は、シザーズ・バイト(上歯が下歯にややかぶさるはさみ状の噛み合わせ)。前脚は、まっすぐで平行になっています。後脚の狼爪は切除しなければなりませんが、前脚の方は、切除した方がよいといったところです。尾は、通常の場合、第2関節または第3関節まで断尾します。断耳は、飼い主の好みによります。
飼育のポイント
子供と仲よくでき、とても頼りがいのあるワンちゃん。きちんとしつければ、素晴らしいペットになります。被毛は、週に1回しっかりとブラッシングし、年に4~6回クリッピングまたはストリッピングしなければなりません。コンパニオンドッグ(伴侶犬)は、一般的にクリッピングされますが、ショードッグの場合は、ストリッピングがよいでしょう。この犬種は、他の犬を支配しようとします。子犬の頃から他の犬や人間と広くつき合わせて、慣れさせておいたほうがよいでしょう。また、落ち着きのない犬にならないように、子犬時代にしっかりと運動させることも大切です。
性格
防衛本能がとても強く、大胆で元気いっぱい。落ち着いていて、忠誠心も責任感もある利口な犬です。本来、支配欲の強い犬種なので、ベテランのトレーナーによる訓練が必要です。自信に溢れた態度で、たっぷりごほうびを与えながら、厳しく、一貫したしつけを行うと、素晴らしいワンちゃんに成長して、期待に応えてくれます。