歴史
ジャーマン・シェパード・ドッグは、最も多くの仕事ができる犬種のひとつです。起源はドイツで行なった数種のシェパードの交配からといわれます。このワンちゃんはとても賢く覚えが早いので、牧羊犬、警護犬、警察犬や盲導犬に使われます。また捜索・救助もしますし、軍用犬としても活躍しています。その他にも、シュッツハウンド、追跡、服従競技、アジリティー、フライボール、リングスポーツなど、犬のスポーツは何をやらせても優秀です。素晴らしい嗅覚で麻薬を検出したり、侵入者を発見したりします。あるいは地中にある地雷を教えて事前に爆発を防いだり、地下3メートルもの深さに埋設したガス管のガス漏れを探知したりと大変な活躍をします。また、ショードッグとしても人気が高く、飼い主のよいパートナーにもなります。
特徴
運動神経の発達した敏捷で筋肉質の犬種です。体の線はスムーズなカーブを描き、体高より体長が長い体形です。強面ですが品のよい顔立ちで頭部は堂々としています。マズル(鼻口部)は長く、両耳は三角で前方に向かってピンと立っています。鼻は真っ黒です(鼻が黒くない犬はショーの出場資格がもらえません)。黒い目は中くらいの大きさでアーモンドの形に似ています。歯はシザーズバイト(上歯が下歯にややかぶさるはさみ状の噛み合わせ)でなければいけません。長いサーベルのような尾は豊かな被毛に包まれ、少なくとも後肢の膝のあたりまで垂れています。前肢はまっすぐです。前肢の狼爪は生えたままにし、後肢の狼爪は切除します。被毛はびっしりと密生した直毛でダブルコートになっています。白、茶褐色、ブルーを除き、他の色は認められていますが、なるべく濃い色のほうがいいでしょう。理想体重については基準が定められていません。
飼育のポイント
肘関節、股関節の形成不全、慢性の湿疹、ノミアレルギー、角膜炎、胃の障害を起こしやすい傾向にあります。頻繁な入浴は避け、皮膚の脂分がなくならないよう年に1回か2回にとどめましょう。このワンちゃんは極めて強い防衛本能をもっています。成犬になったときの過剰防衛を防ぐため、社会性がもてるよう十分訓練しておくことが大切です。攻撃的に人に襲いかかったりする場合は、ブリーディングやハンドリング、または訓練に問題があるからです。購入の際には信用のおけるブリーダーから買い入れることが非常に大切です。なかには臆病で驚きやすく、恐怖心から咬みつきやすい犬もいます。子犬の血統をよく調べることです。よいペットを育てるには、子犬のころから愛情をもって毅然としつけを行い、社会生活に慣らしていくことが大切です。しつけの際に高圧的な態度をとったり、叱りつけたりすることは禁物です。このワンちゃんにとっての幸福は使命(仕事)があることです。また周りに仲間の人々がいることも大切です。長期間ひとりぼっちにしておいてはいけません。この犬種はしばしば換毛するので、できるなら毎日手早くブラッシングしてあげましょう。
性格
直情的で勇敢、熱心で警戒心が強い。大胆で明朗、しかも従順。忠実で勇気に富んだ性格はよく知られています。静かで自信に満ちていますが敵意はありません。まじめで、ほとんど人間なみの知能をもっています。