ダルメシアン

起源は全く不明ですが、最初に歴史に登場するのは、旧ユーゴスラビアの一部、ダルマチアです。この犬種は、1800年代に、馬と並んで(または馬の間を)走っていき、主人がどこかよそで用事をしている間、馬車と馬を見張る馬車犬としてもてはやされるようになりました。多才なダルメシアンは、消防士のマスコット、戦時の歩哨、サーカスでの芸当、害獣退治、獲物回収、猟犬、牧羊犬、警備犬と、さまざまな役割をその歴史を通じて果たしてきました。現在では、この美しい犬種は、主として、家庭犬になっています。

ディズニー映画で有名な、こぎれいな、黒と白のまだらの犬、ダルメシアンは、均整のとれた、筋骨たくましい中型犬で、持久力抜群です。柔らかい耳と先細の尾をしています。生まれたときは真っ白ですが、後に斑点ができてきます。斑点は、はっきりとしたものでなければならず、大きな斑に混ざってはいけません。短い被毛には、光沢があって輝いています。茶褐色の斑点が入る犬もいますが、この場合はそれほど人気はありません。

絶えず毛が抜けるので、頻繁にブラッシングしなければなりませんが、丈夫で飼育しやすい犬種です。清潔好きで、犬の臭いはほとんどしません。一度にたくさん子を生むことが多く、時には最高15頭の子犬を産みます。非常にエネルギッシュなので、破壊的行動を防ぐために毎日走り回らせておかなければなりません。ダルメシアンの子犬の10~12%は、難聴に冒されています。子犬は1頭ずつ難聴のためのテストを受けさせましょう。ダルメシアンは人気の高い犬種で、無分別な繁殖をしているので、難聴の犬が増えています。子を産ませようと考えている人は、産まれてきた子犬の中で耳の聞こえない子犬に責任を持って積極的に対処しなければなりません。耳の聞こえない犬は、飼育が非常に難しく、恐怖心から攻撃的になったり、噛みつく癖がついたりすることがよくあります。こうした深刻な問題を避けるために、また、よい気質の犬を確保するために、必ず信頼のおけるブリーダーから購入するようにしましょう。この犬種の股関節形成不全の発症率は極めて低いのですが、念のため注意して選びましょう。また、腎臓病も起こしがちです。ダルメシアンの尿酸値は、他のどの犬種よりも高いので、尿閉塞を起すことがあります。尿路の病気を防ぐために、獣医師はこの犬種に低タンパク質の食事を薦めることがあります。寒い戸外には出さない でください。

遊び好きで楽天的。ダルメシアンは人とのつながりを必要とするので、庭先で飼うには向いていません。子供と遊ぶのは大好きですが、あまりに騒々しいので、幼児には向かないかもしれません。知らない犬には攻撃的になることがありますが、他のペットと仲よくやっていけます。オスは、他のオスを嫌うことがよくあります。やや神経過敏で、十分に人や他の犬に慣らすように育てないと臆病になることがあります。非常に精力的で、とても利口なのですが、わがままになることがあります。一般的に、毅然とした態度で行なう一貫したしつけに順応します。