歴史
最も古い犬種のひとつ。現代のノルウェジアン・エルクハウンドの骨とほぼ同じで、紀元前4000年から5000 年のものと思われる犬骨が発掘されています。歴史的に見ると、この犬種は大型猟獣、特にヘラジカ(ノルウェー語でエルク)狩りで狩猟犬として使われていま した。何kmも離れた場所からでも、獲物の匂いを嗅ぎつけることができ、獲物を追跡し吠え立てて相手の注意を引きつけます。続いて獲物を追い詰め、ハン ターが来て仕留めるまで逃がしません。この犬は、数世紀の間、アナグマ、オオヤマネコ、クーガー、クマ、オオカミ、トナカイ、ウサギなどの猟に優れた能力 を発揮してきました。特にアナグマ猟が得意です。というのは、日中よりも夜によく活動するからです。最近では、人によくなつくことと信頼できる性格から、 多くの家庭でペットとして人気を集めています。
特徴
がっしりした頑丈な体とたっぷりのスタミナを持った、スピッツタイプの中型犬です。何日もの間、終日続けて狩猟に走り回っても平気です。被毛 はダブルコートで、毛色ははっきりしたグレーです。尾は背中の上に固く巻いています。幅広の頭部はくさび形で、ストップ(両目の間のくぼみ)ははっきりし ています。耳は先のとがった立ち耳で、よく動きます。目はこげ茶色で、鋭い表情の中で人なつこく光っています。歯はシザーズ・バイト(上歯が下歯にややか ぶさるはさみ状の噛み合わせ)。体は短く、胴体の大部分は胸郭で、胸は比較的幅広です。前肢はまっすぐで、左右は平行。足は小さく、肉の厚いパッド(肉 球)で引き締まっています。また、この犬には犬特有の臭いがほとんどありません。
飼育のポイント
非常に独立心が強いため、服従訓練にはある程度の抵抗を示すことがあります。オーナーは、子犬の頃から厳然とした態度で、しかもやさしくしつ けをしなければなりません。また、太りやすいので、食事の与え過ぎは禁物です。もともとが、狩猟の際に獲物をつかまえて放さず、ハンターが来るまで吠え続 けるように作られているので、犬によってはよく吠えるものがいます。徘徊癖のある犬もいます。そり引き犬として2頭をつなぐときには、オス同士を一緒に引 き具につなぐとケンカすることがあるので、オスとメスとで対を組ませるのがよいでしょう。同じ家族として暮らすペットの中でも、同性の犬同士だとよくケン カします。犬以外のペットとの相性は概して良いとする説もありますが、あまり信用はできないという説もあります。いずれにしても、用心が大切です。
性格
勇敢で人なつこく、思慮深いワンちゃんです。子供にとって、エネルギッシュで機敏な仲間であり、信頼のおける護衛犬にもなります。きれい好きで従順、やさしくて忠実、魅力的で感受性が鋭く、威厳に満ち、旺盛な独立心も持っています。