フレンチ・ブルドッグ

もともとイギリスでイングリッシュ・ブルドッグのミニチュアとして作り出された犬種です。ノッティンガムのレース編み職人がこの犬を飼いはじめて、フランスへ渡る時も連れて行きました。この新しいワンちゃんはフランス人の注目を集め称賛されて、やがてフレンチ・ブルドッグと名づけられたのです。品評会に出ることになり、たまたまイギリスへ連れてこられたとき、イギリスではその名前で大騒動になりました。そもそもイギリス原産のブルドッグは、イギリス文化の伝統的シンボルだったからです。フレンチ・ブルドッグは明るくハッピーな性格で、世話のしやすい家庭犬です。

じょうぶな小型犬で、大きくて丸く、ピンと立ったコウモリ耳、マズル(鼻口部)は扁平です。角ばった平たい頭部はイングリッシュ・ブルドッグより小ぶりです。額は丸みをおびています。均整がとれていれば、体高は高くても低くても問題になりません。体高は胴の長さとほぼ同じです。肩幅が腰の幅より広く、洋ナシ型の体型です。体重のクラスは8.6~10kg、10~12.7kgの2つに分けられます。12.7kgを超えると失格です。短くて柔らかい毛は手入れしやすく、色はブリンドル、フォーン、白、ブリンドルまたはフォーンと白の2色などがあります。なめらかな手触りのいい皮膚は、柔らかくて少したるんだ感じです。丸い目は暗色で、口元は下あごが突き出た形です。尾はストレート、またはらせん状です。

清潔でおとなしく、親しみやすいので、特に高齢者向きです。暑さや寒さに弱く、暑すぎると熱射病になります。涼しい気候を好みます。目や呼吸器の病気にかかりやすいです。太りすぎると呼吸が苦しくなり、ぜいぜい言ったり、いびきをかいたり、あえいだりします。その体型のため泳げないので、プールのまわりでは気をつけてください。子犬も頭が大きいので、お産のとき帝王切開で産ませることもあります。

たいへん愛らしく、陽気で愛情深い犬です。利口でのんびり屋、好奇心旺盛ですが注意深いところもあります。忠実で、特定の人間と強いきずなを結びます。人との関係を必要とし、かまってもらえなければ生きていけないほどです。かなりの頑固者ですが、我慢強くしつけましょう。イライラしたり不機嫌なときはかみつくこともあります。飼い主に対する独占欲が強いので、ほかのワンちゃんを嫌います。