歴史
イングランド最北地域に位置するロスバリー地方にちなんで当初はロスバリー・テリアと名づけられました。アナグマなどを狩る猟犬として、この地方のジプシーの馬蹄屋の間ではこのワンちゃんは高く評価されていました。1825年頃、1匹のロスバリー犬がベドリントン犬種のメス犬と交配され、その結果ベドリントン・テリアが誕生しました。この過程のなかで、足の速さと猟犬としての資質を改良するために「ホイペット」が交配されたと考えられます。「ダンディ・ディンモント・テリア」もこの交配に使われたという一説もあります。ベドリントンの炭鉱関係者は小型害獣の狩猟犬としてこのワンちゃんを用い、また坑内では闘犬にふさわしい闘志を開発したのです。ハンターたちはこのワンちゃんに獲物回収の仕事を与えました。ベドリントン・テリアは1877年に別の犬種として分けられ、初めて品評会に出されました。
特徴
洋ナシ型の頭部、アーチを描く背部とカールした被毛はまるで小さな子羊のよう。頭部にはストップ(両目の間のくぼみ)がなく、頭頂から鼻まですっきりとした線でつながっています。上毛と下毛の分厚いダブルコートは柔らかな毛と硬い毛が混じり、毛色はブルー、砂色またはリバー(赤褐色)です。目の上、脚、胸、尻にタンの斑点がみられる場合もあります。歩き方に特徴があり、特にゆっくり移動する場合には、はずむように歩きます。
飼育のポイント
血統によっては、白内障、網膜はく離およびPRA(進行性網膜萎縮症)にかかりやすいです。遺伝性の肝臓病の銅中毒への抵抗力の有無の診断を受けているワンちゃんを選ぶようにしましょう。腎臓と甲状腺の病気にかかることもあります。トイレトレーニングに苦労する場合があります。しつけにはがまん強さが必要です。よく吠えます。がんこ者で緊張したり、興奮したりすることがあります。定期的に毛刈りをする必要があります。プロによるグルーミングの間にも、毎日ブラッシングをしてあげましょう。リードをはずす場合は、必ず出口のない場所で行って下さい。ホイペットのように、このワンちゃんは足が速く狩りが大好きです。ほかのペットと一緒にする時には監視が必要。挑発されるとかみつくことがあります。穴を掘るのも好きです。
性格
頑固で勢いがあり、特にほかの犬に対して攻撃的です。小さくて精力的です。勇敢でエネルギッシュ、たいへん速く走ることができます。やさしい風貌とは裏腹に闘争心旺盛。慎重な繁殖を続けた結果、伴侶に適した愛情深い性格を持つようになりました。