歴史
ボクサーは猛犬のマスチフとブルドッグを祖先として、1800年半ばに作られた犬種です。初めの頃は狩猟犬、見世物として牛と戦わせるブルバイティング、荷車引きなどに用いられていました。時代が下ると、ボクサーの祖先は、牧羊犬として家畜を駆り集める仕事をするようになります。トリックを覚えるのが非常に早く、サーカスや劇場でもよく使われました。1904年に初めてボクサーの血統台帳が作られ、繁殖標準が作られるまで、極めて無差別的な繁殖が行われていました。初期のボクサー犬は、非常に獰猛だったようですが、いまでは非常に温厚になり、家庭で愛されるコンパニオンドッグ(伴侶犬)になっています。
特徴
ボクサーは、筋骨隆々とした中型犬で、四角形の体形をしており、強い体力をもつマスチフ系の犬です。この種では、マズル(鼻口部)のつりあいが非常に重要です(具体的にはAKCスタンダードで規定されています)。マズルの幅は広く、体のほかの部分とのバランスがとれていることが必要です。頭骨はやや曲線形をしています。ブルドッグのように丸い頭骨をもつものはボクサーには含めません。両目のあいだの額は、くぼみがあり、マズルとストップ(両目の間の部分)は特徴的です。目はダークブラウンで、大きくて黒い鼻を持っています。歯は、下顎の切歯の内側と上顎の切歯の外側が触れているアンダーショットバイトで、上顎は上方向にややカーブしています。耳は断耳されているのが普通で、尾も短く切られ、上を向いています。背は滑らかな曲線を描き、キ甲(肩間の背の隆起)のあたりで、やや下降線を描いています。胸は広く、厚い胸肉は肘部にまで達しています。毛は滑らかな短毛で、淡黄褐色かまだらです。白い斑点のあるものもいます。皮膚には緩みやたるみはありません。
飼育のポイント
子犬製造工場のように繁殖された犬には注意してください。少しよだれをたらし、いびきをかくものがいます。食事は与えすぎないようにしましょう。温暖な気候の地域で飼うほうがよいでしょう。寒すぎる地域では、すぐに体温が奪われてしまいますし、逆に暑すぎる地域では、体温の発散ができなくなります。ボクサーは非常にきれい好きで、猫のように体をなめます。
性格
非常に賢く、元気もあり、遊び好きで体力のある犬種です。しつけもしやすく、非常に従順です。家族に非常に忠実で、子供との相性もいい犬です。あまり吠えませんが、警戒心や保護心は強いです。知らない人には人見知りすることが普通です。他の犬を見ても、ふつう、挑発されないかぎりケンカはしません。