歴史
ボーダー・テリアは、英国のイングランドとスコットランドの境界(ボーダー)に近いチェビオットヒルが原産。家畜を襲うキツネを巣穴から追い出し、撲滅するのに使われていました。小さい体に似合わず頑丈な体躯をしていて、走っている馬に追いつくほどの長い脚とスタミナがあります。また、テン、カワウソ、獰猛なアナグマなどの狩りにも用いられていました。闘争心が強く、順応性にも優れ、人なつこいことから、いまでは、コンパニオンドッグ(伴侶犬)として愛されていますが、農家の害獣駆除犬としても活躍します。ボーダー・テリアは、まず1920年にブリティッシュ・ケンネル・クラブ、ついで、1930年にアメリカン・ケンネル・クラブ(AKC)により犬種に認められました。
特徴
ボーダー・テリアは小型で元気のある犬種で、粗くて硬い二重の被毛に覆われています。目は生き生きとして濃く、短いマズル(鼻口部)と、前方に「V字」に折れた小さな耳を持っています。尾は比較的短く、太い付け根から先にいくにつれて細くなっています。非常に興奮しているとき以外は、尾は背に水平に保たれています。赤、青と黄褐色、灰色と黄褐色の犬種があります。足が白の犬種は認められていませんが、胸に白の斑点があるものは認められています。毛は、年2回のストリッピングが必要です。AKCが指定する標準体重はオスで約6~7kg、メスで約5~6kgです。しかし、ほとんどのボーダー・テリアは、たとえショードッグであっても体重が重くなりやすく、本ページの冒頭にある体重の範囲にないこともあります。
飼育のポイント
食費は経済的で、1日にカップ1杯ほどのドライドッグフードで大丈夫です。脱け毛は非常に少ないですが、週1回のブラッシングと、年2回のグルーミングが必要です。穴を掘ることが好きなので、頑丈なフェンスの囲いにいれておく必要があります。犬小屋を使用したり、囲いの底の周りを補強する飼い主も多くいます。自分の掘った穴に落ちることがありますが、通常は自分で体をくねらせて出てきます。ネズミ、ハムスター、ウサギ、鳥などとは相性が悪いですが、他の犬とは仲良くできるのが普通です。ボーダー・テリアを2匹飼うときは、つがいで飼うことをお勧めします。犬を一日中一人ぼっちにするのはよくないことです。子犬を子猫といっしょに飼う場合、家猫であれば通常問題となることはありません。しかし、他の家で飼われている猫とはうまくいきません。痛みには比較的鈍感で、病気であっても苦しそうなそぶりを見せませんので、飼い主さんは、常にワンちゃんの健康状態に注意する必要があります。
性格
警戒心が強く活発ですが、マナーを教える際には特に問題ありません。子供が好きで、人を喜ばせようとするので、しつけは比較的しやすいほうです。丈夫で小さいテリアですが、勇敢な狩猟犬でもあります。子犬のうちに、人や騒音、都市環境に充分に慣れさせ、過剰に怖がらないようにすることが必要です。吠えることはありますが、闘争的ではありません。泥棒とでも家に帰るぐらいのことはするかもしれません!子犬は非常に元気ですが、成犬になるにつれ、落ち着いてきます。