歴史
マンチェスター・テリアは、19世紀に英国のマンチェスターで、ジョン・ヒュームという人物がネズミ捕りのため作り出した犬種です。この犬は当時、最も害獣を捕まえるのが上手な犬と見られていました。ビリーという名前のマンチェスター・テリアが、英国のコンテストで6分13秒の間に約100匹のネズミを捕ったという話が残っています。小型のドーベルマンに似ていますが、種としては関係ありません。マンチェスター・テリアはがっちりとして丈夫なブラック&タンのテリアとホイペットとの交配で生まれました。マンチェスター・テリアには「スタンダード」と「トイ」の2種があります。トイ種はヴィクトリア王朝時代に大変人気がありました。その頃、小型化が大流行となり、わずか1kgちょっとしかないものまでいました。現在では主に家庭犬となっていますが、まだネズミ退治にも活躍することができます。
特徴
マンチェスター・テリアは体の引き締まった、すばしこい犬です。頭部は長く先が細くなっています。耳はV字型で自然に折れたような形か、直立耳で、断耳で端の方を切られていることもあります(トイ種は自然に立っています)。小さな暗色の目はアーモンド型です。鼻は黒です。歯はシザーズバイト(上歯が下歯にかぶさるはさみ状の噛み合わせ)であることが大切です。背中の線はホイペットの遺伝の名残でわずかにアーチ形をしています。短いむちのような尾は先のほうが細く、先端はとがっています。短くてつやのあるブラック&タンの毛は手入れがしやすく、グルーミングの必要はほとんどありません。
飼育のポイント
子どもたちとは子犬時代から一緒に過ごしていれば問題がありません。年配の人にも世話がしやすく、性格のよい犬種です。何かを追いかけ回すのが好きなので、安全な場所以外では、リードをはずして自由に走らせてはいけません。他の動物との相性はあまりよくない方です。血統によっては、血液の病気や緑内障にかかる可能性があります。
性格
たいへん活動的。清潔で賢く、飼い主にとってよき友達になります。しかしながら、時に頑固で、警戒心が強くなることもあります。本能的な攻撃性を防ぐため、子犬のころから徹底して周囲との関わり方を学ばせることが大切です。また、よく噛みつくようになる可能性もあるので、しつけを徹底させましょう。他の犬に対する闘争心の強さについては諸説が。