歴史
ミニチュア・ピンシャーは、ドイツで、ジャーマン・ピンシャーを含むテリア種を改良して作り出したものです(「ピンシャー」とはドイツ語で「テリア」という意味です)。小型で脚を高くあげて歩くのは、おそらくイタリアン・グレーハウンドの血が混じっているからでしょう。ドーベルマン・ピンシャーとは血のつながりはありません。ドーベルマンより古い犬種なのです。「ミニ・ピン(ミニチュアピンシャーの愛称)」はもともとネズミ退治用に使われていましたが、元気がよいのと性格が明るいので、愛らしい家庭犬として飼われるようになりました。
特徴
小型で引き締まった筋肉質の犬で、つやつやと毛に光沢があります。バランスのよい四角形で輪郭のはっきりした体形をしています。背中の線は水平か、後方にむかってやや下がり気味になっています。前肢はまっすぐで狼爪は除去してあります。足は小さく猫の足のようです。マズル(鼻口部)は頑丈で、体の他の部分と釣り合いがとれています。歯はシザーズバイト(上歯が下歯にややかぶさるはさみ状の噛み合わせ)でなくてはいけません。暗色に輝く目は楕円形です。断耳は飼い主の考え次第ですが、断尾は必ず行います。短く手入れしやすい被毛は通常赤っぽい色ですが、黒&黄褐色、チョコレート色の場合もあります。このワンちゃんは脚を高く上げる独特の足取りで歩きます。
飼育のポイント
食事を多く与えすぎてはいけません。寒い季節には暖かくしてあげるよう気をつけてください。他の犬とケンカをしやすい面があります。たいへん健康的な犬種です。
性格
大胆で、要求の多い強情な犬種です。誇り高く、機敏でエネルギッシュです。利口で頑固、元気で勇敢です。小さな体に閉じ込められた大型犬といった感じです。あまり甘やかして増長させてしまうと一種の暴君のようになってしまいます。ミニチュア・ピンシャーは「愛玩犬の王様」と呼ばれることもあります。