歴史
ヨークシャー・テリアの起源については2説が存在します。第1の説は、19世紀中ごろスコットランドの織物職人たちがイングランドのヨークシャーに移住の際に持ち込んだというもの。第2の説は1800年代、炭鉱内のネズミ駆除のため、炭鉱夫たちによって生み出されたというもの。2番目の説によれば、ヨークシャーは「ダンディ・ディンモント」、「スカイ・テリア」、「ブラック&タンのトイ・テリア」、「マルチーズ」 の交配とされています。この新種は最初、スコッチ・テリアと呼ばれていました。この闘志ある小さなワンちゃんを、炭鉱夫たちはネズミと戦わせ娯楽としました。このワンちゃんがやがて、裕福なご婦人方がバッグに入れたり抱いて連れ歩くお気に入りの犬となります。19世紀のテリア愛好家は「ヨーキー」(ヨークシャー・テリアの愛称)がすたれるだろうと思っていましたが、予想に反して一番の人気となりました。今日ではこの元気な小型犬は活発な家庭犬であると同時に、魅力あふれるショードッグでもあります。
特徴
つやつやとしなやかで豊かな毛を持った、元気な小型犬です。毛色はスチール・ブルーとゴールド。子犬は、生まれたときにはブラックの被毛にタンの斑点が入っていて、通常1年ほどで成犬の毛になります。成犬の毛は背中から左右に分かれて地面につくほど長く垂れ下がっています。頭は平らで、中ぐらい長さのマズル(鼻口部)先には、かわいい黒いボタンのような鼻がついています。かがやく目は暗色で暗い色の縁どりがあります。耳は小さい三角の立ち耳で毛の色は暗色です。尾は生後3日から5日で半分の長さに断尾されます。
飼育のポイント
ショードッグの場合は、絶えずこまめにグルーミングすることが必要です。トイレトレーニングが難しいこともあります。寒さは苦手です。メスは難産になることも多いので、出産の際は獣医の立会いを求めます。甘やかすと神経症になるので注意しましょう。小さなティーカップのようなヨーキーは、深刻な病気や悪い癖が出がちです。かかりやすい病気は膝蓋骨脱臼、目の感染症。やわらかい歯は虫歯になったり悪くなりがちです。歯は定期的にチェックし掃除しましょう。歯を強くし清潔に保つために、ヨーキーにはドライフード(ウェットフードをまぜてもよい)をあげてください。
性格
元気で頑固、自信家、愛情深く非常にやさしい性格です。とてもエネルギッシュにせわしなく動き回ります。勇敢で利口ですが、他の動物とは仲よくしません。わがままで甘えん坊。いつも人といる必要があります。おどかされたり驚いたり、からかわれたりすると、噛むことがあります。